農地保全向上活動

「池田の郷(さと)土と水を守る会」に参加する各団体の活動をご紹介します。

 

『池田の郷 水と土を守る会』事務説明会&学習会

5月11日19時
今年が5年目になる『水と土を守る会』
各集落の代表者に集まっていただき、本年度の活動について事務説明会が行われました。
本会では、
①各集落で実施する「集落共同作業」
②環境団体が実施する「環境向上活動」
③各農家が実施する「営農活動」
これら3つの活動について、助成金交付等の支援を行い、池田町の農地・水・環境保全の向上を目指しています。
今日の説明会では、これらの取り組みに対する手順や助成金の使い道などが説明されました。
後半は「畦草の管理について~環境向上と省力化目指して~」と題して、
福井県立大学生物資源学部プロジェクト研究員の赤井賢成先生による勉強会が開かれました。

●第1部 『豊かな自然が育む池田米』

面積の約9割が豊かな森林の池田町。
この池田町の米作りで害虫による被害が少ないのは、
カエルやクモ、トンボをはじめたくさんの
生きものが害虫を食べているからなんです。
クモやトンボも同じ虫では?と思いそうですが、違うんです!
虫は『害虫・益虫・ただの虫』の3種類に分かれているんです。
クモやトンボは害虫を食べてくれる益虫の分類で、とっても大事な生きもの達なんです。
大切な事はそんなたくさんの生きもの達をセットで守る、という事。
生命のバランスを崩さず、自然の力を借りて池田米を育む。
それには、どうしていけばよいのか…
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●第2部  『米作りが支える池田の自然』

生きものをセットで守るためには、生きもののエサや隠れ家となる畦畔の
『在来種の雑草』を増やす事が重要なんです。
余計な雑草は全て刈っちゃえ!と考えがちですが、
雑草の役割や効果的な草刈りなど「草とのつきあい方」があるんです。
最近は池田町でも『外来種の雑草』が増えていて、
在来種を残し、外来種の繁殖を防ぐためにも畦畔の草刈が大切だそうです。
昨年の実験結果では、草を刈る回数とタイミングが生物多様性にも効果があることが分かってきています。

「草を知って草を制する」という言葉で締めくくった今回の学習会。
田んぼに稲以外の余計なものはいらないと思っていた私のイメージに反して、
『いかに生きものを増やし、生きものの力にお世話になりながら、良いお米を作るか』が
池田町の特栽米を成功させるポイントとなるようです。
私の米作りへのイメージががらりと変わりそうな池田町の米作り。
豊かな自然が育む池田米の収穫までしっかりと皆さんにレポートしていきたいと思います!

【グランドカバー計画】  2種の実験を行います!

田んぼの畦畔の草刈り労働の軽減や、
環境保全を目的に
『グランドカバー』の実験を
今年も行います。

今年で2年目に入りますが、
田んぼの畔草の管理という視点で、
昨年よりも1歩も2歩も進みたい!と、
様々な方法で実験を行っていきます。

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2010年5月12日(水)

昨年に引き続き、植物研究家の赤井先生指導の下、
2種の実験をスタートしました。

 

まず一つ目、
【被覆材による外来植物の抑制調査】

 
①草刈り後の畔に、3種の有機物を隙間なく敷いていきます。
防草シートに代わる被覆資材を検討します。

 
もともと、この畔には
シロツメグサ、ヨモギ、スギナ、カラスノエンドウ、スイバ、ハルジオン、ウマノアシガタ、
カモガヤ、ナガバギシギシ、コハコベ等が生育していました。

 
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二つ目の実験
【池田町内で採取される在来種の育苗増殖実証】
昨年に引き続き行います。
 
①在来種であり、グランドカバーに適している
3種の植物を、採取しました。

 
②採取した在来種3種を手で分けてちぎり、育苗シートに蒔きました。

在来種シート その1、『ノシバ』 ・・背が低く、一面を覆う様に生える

在来種シート その2、『ノチドメ』 ・・背が低く、一面を覆う様に生える

③シートの上に土をかぶせ、

④水をたっぷりあたえます。

全シートをハウスに並べて
今日の作業は終了です。

 
胚・種子を経由せずに根・茎・葉などの栄養器官から、
次の世代の植物が繁殖する『栄養繁殖』で
経過を見ていきます。

池田町の田んぼの畦を考える。

『生命に優しい米づくり』の認定基準に、
『田んぼの畦に除草剤を使わず、草刈りを3回以上行う』
という決まりがあります。
 
草刈りは、
害虫であるカメムシ等を防ぐ策であり、
いのしし避けに設置してある電気柵の
漏電防止でもあります。

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