『生命に優しい米づくり』審査会

2009年8月30日(日) 9:30~16:00 池田町能楽の里文化交流会館

平成21年度の『生命に優しい米づくり』審査会を行いました。
これは池田町の約7割の農家が取り組んでいる
『生命に優しい米づくり』の田んぼが
栽培基準に基づいて
適正な管理がなされているかどうかを審査するものであり
生産者が記入する栽培記録簿を元に
今日までに中間審査を2回行なっています。
そして今日の本審査で 合格、不合格が決定するという
大変重要な審査会であり
学識研究者、行政関係者、そして消費者を交えて行いました。

 
担当者から 本年度の池田の米づくりについて説明を受けた後

 
抜き打ち審査となる田んぼを
消費者の方達に選んでいただき

 
マイクロバスに乗り込んで
各田んぼへと移動
実際に間近で稲穂を見ながら
米づくりの審査をしていきました。

 
審査の田んぼの中には
完全無農薬の『極(きわめ)づくり』の田んぼも見ることができ
偶然居合わせた 極の生産者の話を聞くこともできました。

 

今年から極づくりを始めた清水さん(右下)
『生命に優しい米づくり』生産者198名中 『極』の生産者は6名と、
池田町でも数少ないので
「珍しい」と、みんなが見に来るのだそうです。
農薬を使わない米づくりは
害草(米づくりにマイナスの草)や害虫(米づくりにマイナスの虫)対策に
大変苦労するといいます。
害草対策には米ぬかを撒いたり、水管理の徹底を、
害虫対策にはハッカを植えてカメムシを抑えたり、草刈りをまめに行ったりと
色々と工夫をこらしながら米づくりをしてきたそうです。
綺麗な田んぼに一同感動し、『合格』になりました。
「これからも頑張ってください!」
消費者の方達から激励の言葉もいただきました。

午前中は計4ヶ所の田んぼを見て周り
まちにまった昼食です!
福井市内のショッピングセンターベル内にある
『こっぽい屋』にお惣菜を出荷している『さくら亭』の皆さんが
朝早くからつくってくださった 全部手作りのお弁当は
採れたて野菜や山菜などをふんだんに使って調理されており
調味料も無添加のものを使用
愛情たっぷりの美味しいご飯を
お腹いっぱい戴きました。

さくら亭のみなさん ありがとうございました!
お腹いっぱいになった一同は
次の田んぼへ

 
向った先は・・
合格か不合格か 消費者の方に決めていただく
という田んぼ

『審査基準』
●耕地番号や生産者名を書いた看板が立っているか
●生産記録簿を提出しているか
●草刈りがされているか
●除草剤を使用していないか
●水管理は適切にされているか

上記の審査基準のうち、『草取り』が不十分な為
今日までの2回の審査で不合格が出ていた田んぼです。
消費者の方達に見ていただき
色々な意見を交わした結果『不合格』。
しかし・・実はこの田んぼには
絶滅危惧種(全国的に貴重な)植物が2種も生えている、と植物の専門家は言います。
池田に生きる貴重な生きものにも配慮した米づくりをすることは
『生命に優しい米づくり』の指針に沿っています。
その米づくりの難しさを改めて考えさせられた田んぼでした。
 
そして一同は
ライスセンターへ
普段なかなか見ることのできない『関係者以外立入り禁止』ゾーンも
今日は特別公開
JAの担当者から説明を受けました。

もっと奥の方へ足を運ぶと・・・
米を乾燥させる機械です
池田町ライスセンターでは
『生命に優しい米づくり』でつくられた米は
除湿乾燥方式の特別な機械で別乾燥しています。
天日干しに近い状態でゆっくり乾燥させる事が
美味しさが保たれるしくみです。
「乾燥の事まで気にしてなかったけど、ここまでやってもらってるんですね」
なかなか見慣れない現場に
消費者の方達も目を凝らしていました。

米の管理など、ライスセンターをくまなくチェックした後、
 
全国初の試みである
『在来種のカバープランツ』を見学しました。

『カバープランツ』とは
田んぼの畦畔を背の低い植物で覆うことで
■重労働になっている害草の草刈りの負担を減らす
■畦畔に生える草から稲に病気が移る危険を減らす
■猪除けとなる電気柵の線に草が触れ電流漏れする事を防ぐ
等の利点があります。
このカバープランツは
町外では既に、シバザクラやヒメイワダレソウなどの
外来植物を植えているところもあります。
しかし、
池田町では外来植物を使わず、在来植物でできないか
只今実験中で、とても力を入れている事業のひとつです。
実験している在来種は下記↓のとおりです
・コウヤワラビ ・ノチドメ ・ノシバ ・市販の芝

9月下旬に育苗シートを畔に貼り付けるなど
今後の動きに注目です。
珍しい光景を目にした一同は
先ほどの文化交流会館に戻り審査検討会です。
 
「生産の現場を初めて見て、いいとこ・わるいとこ、大変参考になりました」
「消費者と生産者、一緒に伸びていけたらいい」
等、消費者の方達一人一人から今日の感想をいただきました。

 
池田町の米づくりを支える人達が集結した今日の審査会
普段なかなか見ることのない現場で
なかなか話すことのできない人達との会話
今日各々が感じとったことは
必ず池田町の米の質を上げるものに
違いないと思いました。
 
稲穂が頭を下げました、池田の米も もうすぐ収穫です。