池田の豊かないきもの達

2011年6月11日(土)9時30分~ 参加人数約20人
場所 JAライスセンター前

今年第1回目となる「いきもの調査」
春~初夏の畦に生える草花を知り、池田の農業や環境向上に役立てる事を目的としています。
地域の方達にもたくさんご参加いただき、お馴染みの赤井先生に教えていただきました。
普段は気にとめない雑草もちょっと立ち止まって見るとおもしろい発見がいっぱいですよ~★
それでは、盛りだくさんでご紹介していきます!



【目立ってきた外来種】

しばらく、てくてく、ぞろぞろ歩いていくと…
道路わきに生えていたこちらの植物に注目!

キショウブ[黄菖蒲] (外来種)

フランスキク (外来種)
白くてきれいなお花ですねぇ~。みなさんもよく目にした事があるのでは?
ですが、見た目に寄らず、結構困ったやつなんです。
キショウブとフランスキクは外来種の中でも繁殖力が強くて、
このまま放っておくと池田町が白と黄色になるかも!
特定の種類の植物、特に外来種ばかり殖えてしまうと
他の植物が生きられなくなり、生態系のバランスが崩れてしまいます。
「きれいだから、刈るのかわいそうで~」なんて声もチラホラ。
みなさん、きれいなお花だからといって採るのをためらってはいけません!
ぜひ、殖えないようにして下さい。


カキツバタ(写真上)とアヤメ(写真下)の違いは、葉の幅に着目。
葉の幅1cm以上あればカキツバタ(アヤメは1cm以下)。
キショウブと違って、カキツバタやアヤメは今のところ、殖えていないようです。


コナスビ (在来種)
この植物、実の形が何かに似ていませんか?
よ~く見てください。ちょっとトマトに似てません?
もう少し育つとナスビの形に似てきます。
名前といい形といいナス科の植物?
いえいえ、サクラソウ科(現在はヤブコウジ科に改変)の仲間です。
なんだかこんがらがりそうな気がしますね。
コナスビは明るい場所が好きでまめに草刈りをしている畦畔によく生えています。

【是非 自慢して下さい!】

ミミナグサ (在来種)
こちらはナデシコ科の仲間です。
池田町では普通に見かけますが、福井市内などで探す事は困難な状況なんです!
なぜかといいますと、外来種の「オランダミミナグサ」が日本に来てから、
その繁殖力の強さに負けてしまうからです。
池田町に普通に生えている事は、外来種も少なく、池田町に良い自然が
残っていることを示す証拠です。
赤井先生も「ぜひ、自慢してください!」と言っていました!

【悪いのは人間!!】

オニウシノケグサ (外来種)
「ウシノケ」という牛の毛に似た水田に生える植物があり、
これはそれよりももっといかついので「オニ」がプラスされるそうです。
植物やいきものの名前ってその容姿にちなんでいたりするから知るとおもしろいですね。
そんな、オニウシノケグサはちょっと悪さしています。
元々は、道路の法面の緑化と牧草として外国から入ってきましたが
繁殖力が強く他の植物を負かしてしまうのです。
でも、赤井先生が素敵なお言葉を一言
「先ほどのフランスギクもキショウブもこのオニウシノケグサも彼らには罪は無いんです。
人間の都合で外国から連れられて特定外来生物に指定されて厄介者扱いされる。
一番悪いのは人間なんですよ。」
確かに、この植物たちの気持ちになるとそうですね。

【私のお気に入り♥】

ミズタビラコ (在来種)
ムラサキ科の仲間。
この植物、もぉ 一言、すごくかわいい!
つぼみの時は赤色なんですが、咲く花は紫色なんです!
ひとつの花にいろんな色が散りばめられていて不思議できれいなんですよ。
それだけじゃないんです!
花の奥をよ~く見ると…四葉のような模様になっているんです。
なんだか、たくさんの色と四葉でお得感のある花じゃないですか?
田んぼや畑の中には生えていないとのこと。水辺のそば(名前の通り)にいます。
ぜひ、見つけてください!

【子孫の為には一生懸命!】

カラスビシャク (在来種)
コナスビと同様に、まめに草を刈る畦畔に良く生えています。
種子だけでなくて、ムカゴでも殖えます。

【そして、だんだんと森の中へ…】
「ここ来るの初めてやわぁ~」なんて声も。

音といったら、鳥と風の音くらいで空間の違いを感じます。
ジブリアニメを連想してしまいました。
みんなで自然の空間に癒されたひと時でした☆

そして森を離れ、ぞろぞろ、てくてく…

最初の場所に戻り、今回の調査は終了しました。
植物をじっくりと観察するなんて、小学校の理科の授業以来かもしれません。
久しぶりでしたが、自分の足で歩いて手にとって実感するってやっぱりいい事ですね。
参加された方も熱心に赤井先生に質問されていました。
「その植物って食べれるの?」など地元ならではの質問が飛び交ったり和気あいあいでした。
1時間半ほどの間でしたが、池田町には貴重な植物がまだまだいっぱい
生きている事がわかりました。
改めて、池田町の自然の豊かさ、すごさを感じました。

【池田町の団結力!】
最後に、池田町の畦畔管理の状況を少しお知らせ。
現在、3種の在来種による畦畔管理を
「グランドカバー」として実証試験中です。

ノチドメ

ノシバ

コウヤワラビ
今年は去年の4倍の2000枚にノシバのマットを増やすそうです。
農家のみなさんから「うぇ~、大変なんだよなぁ~」と疲労めいた声も。
2000枚なので、みなさんのお力が必要なんです。
朝も夜も手間がかかる作業ですが、街全体が協力して取り組むってすごいなぁと思いました。
池田町の活動をもっと多くの人達に知ってほしいな~と思った一日でした。